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経鼻的持続陽圧呼吸療法

CPAP療法について

CPAP(Continuous Positive Airway Pressure)療法(経鼻的持続陽圧呼吸療法)
鼻に密着させたマスクを通じで圧縮した空気を送り込み、呼吸に合わせて持続して陽圧を加えることができるようになっており、気道が虚脱し閉塞することを防ぐという治療法です。

睡眠時無呼吸症候群解説図

​睡眠時無呼吸症候群
舌の奥で閉塞し、息が止まっています。

CPAP療法

CPAP療法中

気道の閉塞がなくなり、呼吸ができています。

適応

PSG(終夜睡眠ポリグラフ)検査で、AHI:20/h 以上

あるいは簡易睡眠検査で、AHI:40/h 以上

  • 閉塞性睡眠時無呼吸の症状により生活に支障をきたしている。

  • 定期的な外来受診ができる

AHI(無呼吸低呼吸指数): 1時間当たりの無呼吸+低呼吸の回数

簡易睡眠検査

簡易睡眠検査

目標

  • 合併症の予防や予後改善

  • 眠気の解消

  • 残存AHI<5/h

  • エアリーク(マスク等からの空気漏れ)規定以下

  • 4時間以上使用できる日が70%以上

効果

  • 心血管イベントの発生率を軽症の睡眠時無呼吸症候群程度に低下させる。

  • 自動車交通事故の発生率を正常のレベルまで低下させる。(SAS患者は健常者の7倍といわれる)

CPAP療法装着
清々しい朝

問題点と対策

CPAPをつけると苦しくてなかなか眠れない。

・マスクをつけて鼻呼吸を練習する。

  ☆口を閉じてゆっくり鼻で空気を吸います。

  ☆空気とぶつかりますが、鼻でゆっくり息を吐きます。

・初めは短時間でも毎日CPAPを使用する。

・少しずつ慣れて、3~6ヶ月を目標にする。
・平均使用時間>4時間/日で良好と判断する。
・治療開始後、しばらくの間は低い圧力で動く機能(ランプ機能)や息を吐く時に圧力を下げる機能を設定する。

マスク装着による不快感がある。

・マスクの表面が額に均等に当たるようにします。

・ヘッドギアの装着は、マスクやヘッドギアと顔との間に指1本程度が入るきつさで、装置をスタートするとマスクが少し膨らみ顔とフィットするくらいに調整します。

※リークは、完全に抑える必要はありません。過度なヘッドギアの締め付けが、かえってCPAP装着中の不快感や皮膚の痛みに繋がる場合があります。マスクのフィット感は姿勢によって変わるので、実際の寝る体勢でもう一度マスクの位置を調整することが大事です。

鼻が詰まってCPAPが使えない。

内服薬や点鼻薬により鼻漏、鼻粘膜の腫脹を軽減させることができます。冷気や乾燥が原因の場合、空気を加温加湿することによって、症状を改善できる場合があります。一方で、鼻中隔の彎曲や鼻腔内のポリープ等が原因の場合は、手術が必要になることがあります。

CPAPをしていると、のどが渇いてしまう。

・口唇にテープを貼る

開口を制限し、口を閉じて鼻呼吸で眠る習慣づけをします。テープが貼れない、すぐにはがれてしまう場合には、フルフェイス(口と鼻を覆う)マスクに変更することも可能です。

・寝室の加湿を行う

湿度が低い季節では、開口していなくてものどの渇きや鼻の痛みは起こりやすくなります。この場合、寝室の加湿を行うことで改善する場合があります。加湿器をお持ちの方は、就寝中も利用し、お持ちでない場合は、洗濯物の夜干しやタオルを一枚濡らして寝室に干すことでも効果が期待できます。

※CPAP機器に加湿器を装着する方法もありますが、清潔保持のため毎日の洗浄が必要になります。

マスクから出てくる風が冷たい。ホースの中で結露が生じ、水滴がたまる。

CPAPは、部屋の空気を取り込んでマスクから気道へ空気を送ります。そのため室温が低いとマスクから出てくる空気も冷たく感じます。また、ホース内の結露はホース内(呼気)とホース外(室温)の気温差によって生じます。

対策として

・部屋の室温を上げる。

・ホースを布団の中に入れる。

・ホース自体が温まる加温ホースを使用する。

・加湿器を使用している場合は、加湿レベルを下げる。

朝起きたらお腹が張ったり、ゲップが出たりする。

無意識に空気を呑み込んでしまっている可能性があります。設定圧を下げることで改善が出来る場合があります。

マスクがあたる鼻の周りが、かぶれたり赤くなったりする。

マスクを強く締め付け過ぎている可能性があるので、マスクフィッティングを見直してみましょう。フィッティングを見直しても改善しないときには、マスクの形が合っていない可能性も考えられます。

目が乾く。

マスク周りからの空気漏れが原因かもしれません。常に空気漏れがあるような場合は、マスクフィッティングから見直す必要があります。

耳鳴りがする。耳が詰まる。

耳と鼻は直接つながっているため、圧力のかかった空気が耳に抜けて不快に感じることがあります。違和感があるときにはCPAP装置の設定圧を下げることで症状が改善する場合もあります。

内蔵の加温加湿器を稼働させている。

花粉症の時期や空気の乾燥する冬季での、鼻づまりや鼻やのどの痛みを軽減させる効果がありますが、注意も必要です。

注意点 

・室温が低いと結露が生じやすくなります。

・加温加湿器の水は原則として精製水を使用し、最低1週間に1回は水を交換し容器を綺麗に洗浄してください。なお精製水以外を使用する場合には、毎日、水を入れ替えて下さい。

マスクの呼気ポート部分から空気が漏れている。

呼気ポートから、吐いた息(二酸化炭素)を排出する構造になっていますので、必ず塞がずにお使いください。

その他の注意点

・結露対策で、ホースを布団の中に入れる際に、マスクの呼気ポートや機器も布団の中に入れてしまうことのないようにする。

・ホースやマスクに対してアルコールを使用したり、日差しに当てたりすると劣化しやすい。

 

 手入れについて

ホース:週に1回程度、薄めた中性洗剤で洗って陰干しする。

マスク:濡れタオルで拭く。

 通常、年に一回程度で交換となります。

・CPAPは対症療法で、根本治療ではありません。CPAPをやめると、多くの方は睡眠時無呼吸症候群が再燃します。

・短い時間でも毎日装着することが大事です。

・CPAPをつけ忘れた日も症状が軽減していても、CPAPが不要と自己判断して、中止してはいけません。一般的には、CPAPを1週間休止した後に、簡易睡眠検査で改善したことを確認することが必要です。

​お問合せ

ご不明な点がございましたら、お電話にてお問い合わせください。

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住所:〒562-0001 大阪府箕面市箕面6-5-7

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